こだから日記

子宝幼稚園の園長のブログです。

友あり 遠方より来たる また楽しからずや

9月の中旬に、約20年前に函館の勉強会でお会いした北海道の園長先生より、


「10月に香川県の高松で私立幼稚園の全国大会があるので、その後、この機会に勉強の為に、子宝幼稚園を訪れたい。」


と電話を頂きました。


そして、当日、高松から高速バスで難波、電車に乗り継いで、堺市のホテル迄約5時間のお疲れの道のり。


夕方にホテルでお会いすると、当時と変わらぬ懐かしいお顔。


その夜は、堺の園長先生2人を含め、4人で昔話と共に現在の幼稚園の課題を語り合い、楽しい一時を過ごしました。


翌日、世界遺産を目指す仁徳御陵前を通り、8時20分に園に到着。


心配していた雨も上がり、いつもの元気な子ども達の自由な外遊びの様子を見て頂き、先生の顔にも笑顔。


実は、M先生は、大学での講義も持っておられ、遊びをテーマにした本も執筆されているそうです。


この遊びの研究は、やはり北海道という1年の半分近くを雪深い気候の中で過ごさざるを得ない子ども達の為に、遊びを通しての体力作りが根源だそうです。


チャイムが鳴って全員整列、元気体操、クラス毎の体育遊びやサーキット活動を見て頂きましたが、この素早くけじめのある姿に、「日々の積み重ねですね。」と、話されていました。


室内の各教室を回って、歌唱指導、ピアニカ指導や絵画、ひらがなや考えるワークの指導を熱心に見つめ、写真を撮られていました。


今回、本園を訪れられた目的の一つは文字や数のワーク等の知的教育を高めたいとの思いからだそうですが、特別のお勉強ではなく、姿勢や鉛筆の持ち方等を含めた基本重視のお考えだそうで、少し安心しました。

子どもの環境は、子育てに懸命に取り組む保護者と共に、子どもを導く良き先生の存在が何よりも大切であることや子どもの元気や笑顔を一番に考えてのカリキュラムである事に共感を致しました。


“幼児教育”と云う点において、保護者の方に支持され、子ども達が集まり、地域に必要とされる園であり続ける為には細かい工夫や配慮、そして、何より常に研鑚を重ねる姿勢は大切です。


“子どもを預かる”事を中心に置いた現在の流れの中で、時代遅れなのかと自問自答する時もありますが、同じ意識の先生がいらっしゃる事がとても心強く思いました。


私より10歳年上の先生ですが、熱心に貪欲に、子どもの為に全国の園より一つでも何かを学ぶ姿勢は、特に教育の世界に身を置く者として、私自身が大いに勉強をさせて頂きました。


私は当初より一番懸念している事がありました。


それは貴重な時間とお金を使って、自園に来て頂いて、目の肥えた先生にガッカリと思われないかが心配でした。


しかし、にこやかに、


「ありがとうございました。訪問出来て良かった。感謝申し上げます」


と、その言葉を頂いてホッとしました。