こだから日記

子宝幼稚園の園長のブログです。

お店屋さんごっこを終えて

お店屋さんごっこの品物作りでは、保護者の方から廃材集めのご協力も得ながら6月から少しずつ作ります。


そのお店も時代によって少しずつ変わり、スマートフォンやからあげくんと云う様に子ども達の売れ筋にも変化が見られます。


やはり、品物、商品が売れるにはいかに子どもが作ったとはいえ雑に作った物では売れません。


最近、自由な発想を伸ばすことや自分で考えて製作を進める事が取りざたされていますが、放っておいて技量や感性が向上していく訳ではありません。


年少・中では自由に考えて作る部分を大事にしながらもハサミやのりの正しい使い方をきちんと指導していきます。


その積み重ねがあって、年長では各クラスがチーム毎に相談し、ゲーム作りに取り組んでいきます。


そして、これらの経験によって、自分で考えての作品作りや友達との共同製作活動へと繋がっていくのです。





作って終わりではないのがお店さんごっこの良い所で、ここからが本番!!


お客さんと売り子さんを交代して、商品を売ったり、買ったりすることを楽しみます。


全部で10のお店があり、買い物にはお金が必要で、一つのお店に10円から1,000円迄色々な商品があります。


欲しい物が一杯なだけにその中から自分で選ぶのは実に嬉しいものですが、選ぶのは大変です。


売り切れで欲しい物が買えない時もあります。


売り子さんは最初恥ずかしさで声も小さいのですが、少しずつ「安いよ!安いよ!買って!買って!」と声の限りに呼び込みます。


なかなか売れずに悪戦苦闘のお店もありますが、みんなで力を合わせて売れた時は大喜び。


私もお店巡りをしていると、「園長先生、お仕事は大変!!」とちょっぴり社会の厳しさやお父さん、お母さんのお仕事の大変さを味わう事も勉強になっています。


お父さんお母さんと云えば、親子で更に絆を深めて頂く事の一環として、夏休み中に親子の協力しての作品をお願いしていますが、いずれも楽しい力作揃いです。






もう一つ大切な学びは、愛他行動の育ちです。


年中さんは仲良しのお友達と、時に意見も分かれますが、コミュニケーションを取りながら、年長さんは年少さんとペアとなって、「何が欲しいの?」と優しく声を掛けて見守ったり、お買い物の手助けをしてくれます。


ゲームを待つ時はヒザの上に乗せてあげて、分かりにくい時には優しく説明をしてくれています。


この他者に対する優しさ、いたわりは愛他行動と呼ばれ、異年齢の子どもがいると勝手に身に付くと云うものではなく、関係が深まる活動を保育カリキュラムの中に取り入れている結果です。


お兄ちゃん、お姉ちゃんにしてもらった事を、今度は「僕達、私達の番だ」とばかりに「かわいいけれどしんどいなぁ〜」と言いながらも大活躍してくれるのです。


様々な行事を通して、友達関係が深まり、クラスの団結も強くなっていきます。


心と身体の更なる成長の為に日々指導に邁進していきます。