本園では、同じバスの進級児がペアの新入園児の手をつないでお部屋迄連れて行きます。
上靴を履き替えるのを見守ってくれたり、中には靴を履くのを手伝ってくれたりと、何とも微笑ましい姿が広がっています。
この3月に年長さんが卒園しましたが、年長さんは本当に小さい組さんに優しくしてくれました。
そして、次は新年長さんや進級した年中さん達がその優しい思いやりの行動を受け継ぎ、「次は僕達、私達の番だ!」と言わんばかりに大いに張り切ってくれています。
世間では、少子化で、ご兄弟が少ない家庭も増えている様ですが、一人っ子、上のお子さんであっても、お兄ちゃんやお姉ちゃんの姿は新入園児の心にも少しずつ深く刻まれるものだと思います。
子どもは、子ども同士、何か通じ合えるものがある様です。
お世話をしてくれる年長児達に私が「ありがとう!」と言うと、「いいよ」と言う子もいれば、少し嬉しそうにはにかんだり、黙ってうなづく子もいました。
バスの関係だけでなく、年長・中・少の3クラスで異年齢のチームを作っていて、縦割保育だけでなく、1年間を通して、様々な場面でふれあいの活動が出来て、自然な形で学んでいける様に計画しています。
幼児期は一人遊びから友達を求め、友達と遊ぶ楽しさが分かり、その中で順番だったり、オモチャ等の譲る、譲られる関係を作り出します。
他者への思いやりの気持ちである『愛他行動』が見られるのもこの時期からで、自分より年下の友達に表れやすいものです。
それを同年の友達や自分の周りの全ての人に対する優しさ・思いやりの心に繋げて、人と共存していく力の基礎作りに焦点を当てたいと思っています。
しかし、その人間関係の基礎作りも導きがなければ自然と育つものではありません。
“人は人によって人となる”と云う言葉がありますが、この大切な時期に、異年齢の子ども達がいる集団生活の中で、良き先生によって、計画的に指導をされる事によって、少しずつ身に付いていきます。
新聞紙上に於いて、青少年のいじめや悲しい事件が後を絶ちませんが、お互いを尊重する、生まれて良かったと思える社会であって欲しいものです。